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描写する100のお題

021:子供 (75文字)

小さくて丸々としていてコロコロ。小さなことで怒ったり笑ったりと忙しい。
同じものを見ていても注目する場所は違っていて、毎日あふれるくらいの発見をくれる。

022:夜 (51文字)

真っ暗で不安になって、でも安らいでほっとする。
忙しない太陽がお休みする時間。今日も星々の囁きが始まる。

023:あの人 (88文字)

どこに行ってしまったのだろう――は。
その言葉を聴くのが嫌だ。
とてもたくさん話をしたのに。一緒にいる時間が好きだったのに。
名を決して教えてくれなかった。だからそうとしか呼べない。

024:封印 (102文字)

思うままにペンを走らせていたせいか、予想よりも分厚くなった紙を折って何とか入れる。味気ないセロハンテープはあまりにも悲しいがシールは持っていない。
まあ、あいつにはこれで十分かと糊でとめて〆の文字を書いた。

025:風(41文字)

さわやかな春。涼を運ぶ夏。荒れ狂う秋。凍てつく冬。
どの季節もそれぞれに気持ちいい。

026:美しさ(66文字)

誰もが見てわかるものだったり、その人にしかわからないものだったり。
基準は結構、人それぞれ。気分によっても変わったりする不確かなもの。

027:呆れ(68文字)

戦慄いた口から漏れるのは罵倒でも忠告でもなく、大仰なため息。
それを過ぎると、まんまるになった目が哀れみの色を帯びる。ああ、そこまで、と。

028:剣(82文字)

肉厚な両刃。見知った刃物と違い、波紋のようなものは見られない。
権力の象徴だとも言われる、ファンタジーではお約束の武器。
偽物、おもちゃでも心躍るのはそのせいだろうか。

029:いましめ(73文字)

一度犯してしまった間違いの証を見せしめのように晒すのは趣味が悪いと言われるかもしれない。
けれど、これは自分のため。同じ間違いを再びしないための楔。

030:縋りつけるもの(59文字)

疲れたときはベッドだったりクッションだったり。しっかと掴んで離したくなくなる。でも、本当は。おもいきり誰かに頼りたい。

「描写する100のお題」お題提供元:[追憶の苑] http://farfalle.x0.to/