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そんな顔しないで

「じゃ、頼んだからな」
 その言葉で話はお終い。
 ボクがどれだけわめいたって、マスターはそれ以上聞いてくれやしない。
 それでも言いたい事を我慢するなんてボクにはできなくて。
「あっ 逃げるんすねっ 逃げるんすねッ!!
 ご自分がちっちゃい子苦手だからって、またヒトに押し付けて逃げるんすねっ」
「……そうだ。悪いか」
「開き直ったーッ
 マスターひどいっす! 苦手な事でも立ち向かわないと駄目っすよ!」
「ちびっこに囲まれるのは疲れるんだよッ」
 ぎゃあぎゃあ言い合うボクらの横で、梅桃さん達は優雅にティータイム。
「あの二人うるさいねぇ」
「せっかくのお茶が美味しくなくなるわ」
 ああ羨ましい。
 いつもはお二人のほうがうるさいって言うのに。
「しかし、何をもめているんだ?」
 すっかりウェイター役が板についてるアポロニウスさんの言葉。
「しーちゃんがね、ちびっこ軍団に懐かれちゃったの」
「子ども苦手なのにね」
 ため息つく梅桃さんに、マスターは大仰に頷いて。
「そう。だから俺は逃げる」
「マスターだけ逃げるなんて許さないっすよッ!
 ボクだけ残されたら絶対いじられるっす! 羽むしられるっすッ!」
 逃がしてなるものかとマスターの肩にしがみつきます。
 もちろん爪はできる限り立てないように。
 ……後で怒られるの嫌ッすし。
「なんでそもそも懐かれたんだ?」
「PAのお仕事紹介兼PRで、犬とかの氷像を魔法でぱっと作ったから」
「なるほど。それは、懐かれるな」
「でしょー?」
 後ろでは納得されてるようですけど、それよりも何よりもボクはなんとしてもマスターを止めないと!
「マスターッ」
「……瑠璃」
 重々しいため息とともに、マスターがボクと目を合わせて。
 う。真面目な顔してるっす。
 マスターに真面目に来られると、ボクもおちゃらけられなくなるじゃ無いッすかーッ
 それを熟知しているようにマスターはすっかり真面目な……貴族の表情に切り替わってびしっと一言。
「命令」
 ……ええ。結論から言えばボクはしがない使い魔っすから、それに逆らえるはずもなく。

 予想以上にぼろぼろにされて生還したボクを見て、マスターは皆から色々言われてたみたいっす。

「瑠璃くんも出してあげてください」とのリクエストを頂いたので、瑠璃君メインに据えてみました。なんだかんだ言いつつも、シオンが一番信頼してる部下は瑠璃だと思われます。

お題提供元:[もの書きさんに80フレーズ] http://platinum.my-sv.net/