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  3. 7つのカップル06年の差カップル、07殺伐カップル

年の差カップル

 家庭教師と教え子。院生と高校生。――大人と、子供。
 だからなのか、ヴァルはいつもわたしの少し先を歩こうとする。今でも。
 わたしは強い魔法を扱えて、みんなを守れるだけの力があって……なのに。
 命の危険を冒して聖剣を使って、助けてくれる。
 まだわたしが知らない魔法をヴァルは知ってるだろうし、知識に関して敵うなんて思わない。
 でも、ヴァルはわたしのせいで巻き込まれたのに。
 わたしのせいで、指名手配までされて。
 ごめんなさい。

 そう、よく思っていたけど――
 あの出来事が終わってから、やっと元の生活に戻れたような今になっても、まだヴァルは変わらない。
 先回りをして、少し前を歩いて、危険からわたしを遠ざけようとする。
 守られてる――子供だから。わかってるけどやっぱり悔しい。
 大人になれば、この距離は埋まるのかな。

殺伐カップル

 一つ二つと策を練るのは己がため。
 三つ四つと策を弄するのは彼女がため。
 主神の走狗となり、人の世を駆け導く彼女がため。
 ミッドガルドが混乱すればするほどに、優れたものたちが現れ旅立っていく。
 戦乙女の導く先へと。
 彼女の活躍は自分にとって利に適う。
 いや、近頃は目的が入れ替わってきているか。
 それも、一興。
 特殊な培養液に浸かった神の似姿。
 愛しい女神の器となるものも順調に育ってきている。
 そろそろ次の策を使おうか。
 久々にかつての級友――メルティーナに会うのもいいだろう。
 くつくつと笑いながら死霊術師は自らの塔を後にする。
 遠くない未来に、この塔へと女神を迎え入れる事を謀りながら。

「7つのカップル」お題提供元:[fisika]http://mblg.tv/fisika/