一緒にいよう
『もう泣くなってば』
『だって……もう私には帰る場所がないもの……
父様は私がいらないから……』
『馬鹿やろうっ 親父がどうした! 居場所ってもんは自分で作るんだよ!
一緒に行こうぜディアナ。私とさ』
追っ手から逃れて暮らした日々も、祖国を出たときも。
ウォルターが怪我をして別れた時も。
いつでも一緒にいてくれた。
いつだって励ましてくれた。
だから……
「その格好すげー良く似合うじゃねーかよっ」
準備の出来た私を見て、アッティカはそう笑ってくれた。
この日の為に作られたドレス。
アッティカは似合うって言ってくれるけれど、ちょっと恥ずかしい気もする。
彼女も今日のために作られた衣装だけど、ドレスじゃなくて鎧。
自分は戦士だからって言い張ってたアッティカらしいけど、フーヴァー卿は最後まで難しい顔をしていた。
カドケウスを封じた後、町や村から魔族を退かせて……ようやくここまでたどり着けた。
これからは国内のことを頑張る番。私は今日王座につく。
フーヴァー卿やウォルターがいてくれるのは心強い。
それに何より。
「ほら。行こうぜディアナ」
アッティカがいてくれるから。
お題提供元:[もの書きさんに80フレーズ] http://platinum.my-sv.net/
最短記録更新作。これより短いのないだろうきっと……他なら長く書けそうなのはたくさんあったんですけどねー。
それでもやっぱりこの作品大好きです。