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真っ直ぐ行って左

 ああゴッド。
 お優しい貴方は何故こんなにも、わたくしに次々と試練をくださるのでしょう。
 正直、めさくさウラミマス。
 ココハドコナンダロウ?
 前を見て、後ろを見て、視線が下に下りる。
 完璧迷子だ。
「……ッ やっぱ、シオンの、言うこと、聞いときゃ、よかった……っ」
 後悔って言うものは後からするから後悔なんだよー。
 なーんて橘のおカルーイ言葉が脳裏に甦る。

 今日の仕事は図書館での調べもの。
 本来は、利用するには必ず司書が同行するほど警備の厳しい場所なんだけど、シオンがいるからすんなりパス。
 むしろ増えつつある入館者の対応しなきゃいけないから、案内なんて要りませんよねとか、半分エルフの司書は言ってた。
 ただ、シオンはとっても急がしそうアーンド集中しててこっちに気づいてくれなかったんで、場所だけ聞いて一人で探しに来たはいいものの……
 なんで迷ってんだろう、オレ?
 う……もうけっこうきっつい。
 つーかさ? 『まっすぐ行って左』なんて、判りやすい場所にあるはずなのに、どーして見つからないかなぁ?!
「だーれかーッ いーませんかあああッ」
 怒鳴ってみても返事はなし。返事どころか人のいる気配もしない。
 こ、こわいんですけど?
 何度か扉を開けてみたけれど、廊下はそれでも続いてる。
 変だ変だ変だ変だ。
 建物の外観からして、こんなにまっすぐな廊下が続いてるはずがないのに。
 ああああっ つーかもうまずいってっ
 まずいものはまずい。まずいったらまずい。
 魔導士としてってより人として、まずいですピンチですこれ以上ないくらいッ
「トゥオオオオいいいいいぃいいうれええええええええええっ」

 思わず上げてしまった雄たけびが人を連れてきてくれて、間に合うことは出来たのだけど。後々まですごい語り草になって、橘に馬鹿にされ続けたことだけはなんとかしたかった。

悲しいことがあったときには明るく笑い飛ばしてしまおうということで。
カクタスを書くときはシリアスをまったく考えなくていいので楽です。清涼剤ですねっ

お題提供元:[もの書きさんに80フレーズ] http://platinum.my-sv.net/