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「類は友を呼ぶって言うし」

「使いどころがないって言うかねぇ」
 言われた言葉に固まった。
 ここ数ヶ月、内勤ばかりこなしているものだから、不安になって聞いてみたらこの返事。
「槐さん」
「何かな、スノーベル君」
「つまり私たちは『使えない』から干されてるってことですか」
 それ以外思いつかない。っていうか事実だろうなと頭の隅で思う。
 何せ楸は面白がって色々やらかすし、面白がってやらかすって点では梅桃だってそうだ。一番の犠牲者ながら一番厄介ごとを持ってくるのはカクタスだし、最近は新団員(アポロニウス)をからかいに姉までもがやってくる。あ、頭痛い。
「そうでもあるし、そうでもないってとこかな」
 困ったように答える槐さん。
 はっきり言わないのは優しさなのか、それ以外なのか。
「実力はあるしね。後、将来性も。
 なんだけど、君らまだ未成年で色々と厄介だし。
 唯一成人のアポロニウスだって、復活したばかりで勝手がわからないし。
 アルブムはどうも『使い勝手が悪い』メンツが集まるねぇ」
 そう、他人事のように笑われた。どちくしょう。

仕事の割り振りも気を使うのです。(07.08.01up)

「おそ鳥みたい」

 ちょっとからかいすぎたかな、と反省。目の前の、入団一年目にして中間管理職に就けられちゃった少年は思いっきりへこんでる。
 未来の団長候補をいじめすぎるのも良くないか。
「君たちが成人してたらねぇ、もっとあちこちで働いてもらえるのに」
「はぁ」
 いや、これは本当に思っていること。
 未成年だから、多少なりとも配慮やらしてるんだよ?
 マスコミもうるさいしねぇ。
「まあ、やがてやってくる激務に備えて、しっかり勉強しておいてね?」
「くるんですか、本当に、激務が」
「来るよー、そりゃあもう」
 軽く答えた瞬間に、聞こえる。
 悲鳴と怒声。もはや日常と化してしまったそれ。
「マスターマスターッ」
 悲鳴を上げて窓から飛び込んでくる瑠璃君。
「槐さん、二重にすみませんけど失礼しますッ」
 皆まで言わさず、騒ぎを収拾するべく窓から身を躍らせるロータス君。
「あーあ、いっちゃった」
 ここに何しに来たのか覚えてるのかなぁ。
 話途中に慌てて退出するなんてことは珍しくない。
 彼に限って言えば毎度の事とも言える。
 慌てても仕方ないといえば仕方ないのだけど。
 ばたばたと、まるで自身の使い魔のように本部内を飛び回る彼。
 たまには翼を休める時間くらいは上げようか。
 仕方ないついでに、書類は代わりに出しておこう。

※本来は「をそ鳥」。大おそ鳥(たいそうあわてものの鳥)の意。

いっつもぱたぱた走り回ってるよね。(07.08.01up)

「返してよ」

 目に映るのはかすんだ天井。頭が痒くて、体を動かすと妙な……『ぽむっ』なんて音がして、食べても食べても空腹を訴える胃。
「しおんー、助けてー」
 涙交じりどころじゃなく、涙と声が8:1くらいの割合になってる気がする。
「やかましい。集中させろ」
 解毒とかそんな術には疎いんだとかいいつつも、シオンの術のおかげで症状は大分ましになった。
「いい加減思うんだが、何で梅桃の毒薬に引っかかるんだ?」
「徹底的にオレをマークするんだよっ
 ……今回賄賂したのに、意味なかった」
 ケーキ店に入るのって結構勇気いるんだぞー。おまけに結構良い値するんだぞー。
 返せ、オレの勇気と金。
 だっていうのに、シオンは呆れた口調であっさり言う。
「意味あると思ってたのか?」
「そんなこというなよおぅ」
 結局オレが完治したのは二日後。お師匠様に絞られたアポロニウスが帰ってきた後のことだった。

オレもういい加減訴えてもいいよなぁ?!(07.08.08up)

お題提供元:[台詞でいろは] http://members.jcom.home.ne.jp/dustbox-t/iroha.html