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思い描く未来

 噂程度には聞いていた。大国の間に挟まれた、女王の統べる小国。
 十年前のこともあって耳に入ってくる噂には色がついていたと思う。
 それでも、はじめて踏んだかの国は――とてもきれいだと思った。
 『たまたま』出会った人たちはとても楽しくて、優しくて。
 目当ての人にはすぐに会うことが出来なかったけれど、そのお陰で知れたこともたくさんある
 危なっかしいからか目の離せない『彼』の子供達。頼もしく抜け目ない遊撃士たち。
 それから――舞台に立つことをためらっている彼女。
 偉大な祖母の後に続かなければならない重圧。
 望んでも立つことが難しい場所に、望まなくても立つことになるだろう君。
 だからこそ、そっと背を押したくなった。

 モラトリアムも終わりを告げる。
 こんなタイミングでパーティを抜ける僕に、みんなお礼を言ってくれた。
 別れを告げ、去っていく皆を見送って、もう一度空を見上げる。
 綺麗な青空が広がっていた。
 故郷と違って、鉄道で空気が汚れていないだけかもしれない。
 でも……それだけじゃないように思えた。
 所詮よそ者にはわからない何かはあるだろう。
 でも、理想に少し似ていたんだ。思い描いてたものに。
 貴族だろうと平民だろうと関係なく――そりゃあ時々はいがみ合うだろうけれど――冗談を言いあったり、身分の差ですべて決まってしまうようなこともない。
 そんな国が欲しいから。欲しいと言ってるだけでは変わらないから。
 着慣れない軍服に身を包んで、一歩を踏み出す。
 描いた理想を、形にするために。

ネタバレになってしまうので、某さんで。この人を書こうと思うといっつも背を向けられるんですが。
こっち向いたと思ったら某ゼロスみたいに「秘密ー」ってやられるんですがっ

お題提供元:[もの書きさんに80フレーズ] http://platinum.my-sv.net/