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赤い色に気をつけて

 自分はさぞかし変な顔をしたことだろう。
「赤い色にお気をつけなさい」
 もう一度、自称占い師が言う。
 奇妙な相手ではあった。
 目深にかぶったフードは口元だけしか見えず、ゆったりとしたローブは確かに占い師にふさわしいものだろう。
 ここが、どこかのアトラクション内だとか、祭りの会場なら違和感はもっと少なかったかもしれない。
「『赤』は、あなたにとても得難いものを与えるでしょう。
 ……良くも、悪くも」
 赤はこの国では皇帝の色。とても尊い色。
 こちらが何も答えずにいれば、占い師はまたも言葉を紡ぐ。
「白でも緑でもなく、白でも緑でもある。そんな『赤』に、お気をつけなさい」
 どこかで、鈴の音が聞こえた気が、した。

 ぼんやりとしていたのだろうか。
 気づけばあの占い師の姿はどこにもない。
 変な相手だった――その感想だけを残して、忠告はすぐに消えていく。

 思い知ったのは、あの日、『赤』が分かたれてしまった時。

閃Ⅱ発売前に。
Ⅶ組の誰でも対象になる感じですが、本命は(ネタバレ)さんですかね。特別出演は鈴の人です。

お題提供元:[もの書きさんに80フレーズ] http://platinum.my-sv.net/