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損な役回り

 呟かれた言葉に視線を上げる。どこかつまらなそうな、それでいて不服そうな表情で、金髪の女性が空を見上げていた。
 何かあるのかと、見上げてみたが、名も知らぬ鳥が空を行くばかり。
 必用な物を買い足すために寄った街で、今は仲間を待っている最中。
 この広場は俺たちのほかにも、待ち合わせてる者が多いのか、吟遊詩人や大道芸人が見世物をしていた。

――たとえば天魔鬼神の御霊を鎮め 地中深く封じしは 聖戦にての三英雄――

 よく伸びる声に、道行く人々が足をとめる。
 囁きながら、声の主へと視線をやって、また微笑む。
 無理に連れられてきたのか、それまで不満顔をしていた子どもが、満面の笑顔で詩人を指差す。
 そんな人々とは対照的に、少々面白くなさそうな彼女。
 確かに、彼女には少々面白くないかもしれない。
 無論こちらのそんな事など知らず、詩人は朗々と謳い上げる。

――魍魎断ちし 黒き剣
雷宿りし 白き御手
そして 敬虔なるは 神の使徒
それらを称して 人の言う
黒の剣士
白の魔導士
赤の僧闘士――

 この手のヒロイック・サーガにはつきものの、脚色された内容。
 彼女の眉間にしわが寄り、その後に深い息と共に消える。
 分かっていた。納得いかない。仕方ない。
 諦めているのか、諦め切れていないのか。
 なんとも表現しづらい。
「騎士は不満か?」
「微妙なとこ、だな」
 唸るような返事は、予想していた通りのもの。
 かつては謳われる事、称えられる事に慣れていなかった。
 それでも、やはり褒められるのは嬉しかったのだろう。
 ただ、自分だけが入っていないとなると。
「なぁんか、損だよなー」 
 紡がれた言葉は、確かに本音だろう。
 謳われる三人の英雄。
 されどあの勝利は、こうやって謳われる事のない者たちがいたからこそ。
 その筆頭が、そう思うことは当然だろう。

――しかし今や英雄も去り 平穏無事なる世の太平――

 続けて聞こえてきた一節には苦笑を。
 英雄は去った。
 世間一般ではそう思われてるし、それでいい。
 その謳われている英雄が、今ここにこうしているなど、知られなくて良い。

がんばったよ、セキ視点だよ自分!
実際に損な役回りなのはアッティカでしょうけど。仕方ないんですけどね!
時間の流れでは白→黒→赤でも、発表順は黒→赤→白だから。
白でディアナを支えて、頑張ってたのに。
一の騎士の座は黒い人にころころと……いや、「子守り」とか言われてたから違うか(笑)
そーいえば、自分たちの歌を歌ってたんでしたね、セキ。

お題提供元:[もの書きさんに80フレーズ] http://platinum.my-sv.net/