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その可能性

「カドケウスの封印と共に、大半の魔族は去ったけど。
 まだ各地に残っているものたちもいるわ。
 この国が始めた事を終わらせて、それから戻ってくるわ」

 正直その言葉を聞いて、不謹慎とは分かっていても、ついてると思った。
 またしばらくディアナさんと一緒におれると。
 彼女に初めて出会ったのは、わいの修行させてもろとるお山で。
 青い髪のディアナさんと、金髪のアッティカさんはえらい目立っとった。

 パルムの大僧殿に向かうディアナさんたちを、僧正様の命でミヤギやナチと一緒に送ったときに魔物に囲まれて、アッティカさんはディアナさんを『悪い魔物に狙われて国を追われた可哀そーなお姫様』と称した。
 事情を知った今なら確かに嘘や無い事は分かっとるが、あの時は……魔物コマギレにしはるんやから。
 薄幸の王女や言うたやないかと文句くらいゆうてもええと思う。

 そして今。
 甦ったカドケウスも封印して、各地に残った魔物を退治に行くんやけど……
 わいはどうしても気になっとることがあった。
 ディアナさんの側に守るように寄り添っている一頭の獣。
 一対の翼と、豊かなたてがみ。そして三つの目を持った、獅子のような生き物。
 かつてディーファが地上に遣わした聖獣『獣騎士(ゾア・ナイツ)』。
 猊下の『封魔杖(クロス・クルス)』、ラシェさんの『魔族喰い(デモン・イータ)』と同じ、失われて久しいとされていた三神器の最後の一つ。
 カドケウスとの戦いで負傷し……脈も呼吸も止まっていたはずのアッティカさん。
 彼女の真の姿がこの獣だという。
「こ……これがアッティカはん?」
 目の前で見ても半信半疑で、恐る恐る近づいた。
 確かにたてがみなんかはアッティカさんの髪を同じ金髪なんやけど。
 やっぱりでけぇ。
「ふ……触れてみてもええかな?」
 恐る恐る手を伸ばし……それが触れるかというところで。
「ウウーっ わんっ!!」
「ひあっ!!」
 アッティカさんに吠えられて、逃げ腰になるわいは格好の見世物にされとったやろう。
 一人、わんじゃねえだろとか呆れとるやつもおったけど。

 それからはもう飛獣を駆ってあちこちを渡り、襲われとる人を助けたりと大変やった。
 皇国に行くときにはディアナさんと相乗りしよったけど、今はアッティカさん……『獣騎士』に乗ってはるし。
 まあ、いろいろあって、残党もほとんどおらんようになったときに、わいは今まで気になっとったことを聞いてみたんや。
「ところで。アッティカはんは、いつ元の姿に戻られるんです?」
 そのときの空気をどう表現すればええか……
 ディアナさんは、はっとしたような表情で。ミヤギなんかはそういえばっていった顔で。
 いつもと特に変わりなかったんは、猊下とラシェさんくらいやろか。
 おろおろとディアナさんの視線が彷徨って、猊下に向かう。
 何か良い知恵があると懇願するかのような強い視線。
 自然と猊下に皆の視線が集まって。
「アッティカ殿は、獣騎士が人の形をとる為に、己の中から獣としての性を分離させた存在だ。獣としての性を分離させることができれば」
 そこで猊下の言葉は止まる。
 沈黙が落ちた。
 その方法があることは確かなんやろうけど。
 もしかして、方法が分からんゆうことですか。
 その可能性に思い当たって、誰も口を開けない。
 ……余計な事、言うんや無かった。

サカキです。で、分かる方いらっしゃいますでしょうか?
どこの方言だといわれそうな言葉づかいもあって、偽者度が凄いですけど。
最終話にちゃんとアッティカ人型で出てきたからこんなこと無いんですけどね。
サカキがディアナに「かわいいなって!」とかって言うと、すかさずアッティカが「馴れ馴れしくすんじゃねーぞ」。
サカキには悪いですけど、やっぱり私はディアナにはラシェだと思います。(笑)

お題提供元:[もの書きさんに80フレーズ] http://platinum.my-sv.net/