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夜明け

 こういう仕事をしていると、結構徹夜ってものが増えてくる。
 普段は学校があるから、適当な時間に寝るようにはしてるけど、休み前となれば話は別。
 やりたいこと・やらなきゃいけないことは嫌というほどたまっていて、本当に休めるときなんてめったにない。
 だって言うのに……この姉は邪魔をしにくる。
「ほらほらシオン。こっち向いてー」
「撮るな、っていうかノック位してから入れよッ」
 姉ちゃんの手には、最近買ったんだって言ってたデジカメ。
 撮ることが楽しくて仕方ないらしい。
「機密だらけの場所撮るなよッ」
「いいじゃない弟の写真取るくらい。ねー薄?」
「そうですよ公子。ご両親に送られる写真ですよ?」
「なおさら撮るな」
 こんな疲れた表情の写真見られたら、何言われるかわからないじゃないか。団長が。
 ただでさえ胃が痛そうなのに、倒れられたらどうするんだよ。
「あのねシオン? 遊ばないなら寝なさい」
「どういう理屈だよ、それ」
 普通は遊ぶくらいなら寝ろだろうが。
 半眼で返す俺に、予想外にまじめな顔して姉ちゃんは言った。
「上に立つものが余裕をなくしてどうしますの?
 もっと泰然と構えてなさい。一人で抱え込む必要はありませんのよ」
「あ、ねうえ?」
 自然と口調が改まる。
 こういう言い方をするときは真面目なときか怒ってるときかで、多分今は後者だから。
「寝不足なのでしょう? そんなにクマを作って」
 心持視線をそらす。
 寝不足なのは事実だし、クマが出来てるのも事実。
「無理を繰り返していると無理だと感じなくなってしまいますわ。
 ですから、少し休憩しましょう?」
「……はい」
 いつものように茶化すんじゃなく、まじめに言われたら頷くしかない。
 そして、頷いた瞬間。
「よーしっ みんな入っていいわよー」
「やったー」
「お菓子どこ置こうか?」
「お茶頼むなっ」
 わいわいがやがや入ってきたのは、楸に梅桃にカクタスに……
「アポロニウスもか」
「茶坊主ですからねえ」
 返事はなぜか薄から。当の本人はがっくりうなだれて、すごすごとキッチンに向かっていく。
 してやられたとしかいえないけれど、もういい。考えるだけ馬鹿らしい。
 ミルクたっぷりのカフェオレと、ローカフェインの紅茶。そして焼き菓子数種。
 夜に食べるもんじゃないよなと思うけれど、小腹がすいてて手は伸びる。
「明日休みだからいいけど、毎日夜更かしはつらいよねー」
「ホントになー、気づいたら空が白んでるんだもんなー」
 こんな休憩できるほどのんびりしてる時間はない……はず。
 でも、今更言ってもなぁ。ゆっくり飲む紅茶は確かに美味しいし。
 結局こうやって遊んでるうちに時間は過ぎていくんだけど。
 今ここでそれを言ってもしらけるだけだし、やる気もうせる。
 このお茶会が終わったらちょっとだけ仮眠をとって、また夜明けから頑張ろう。

しばらく触ってなかったから、シオンの書き方を忘れました(汗)

お題提供元:[もの書きさんに80フレーズ] http://platinum.my-sv.net/